• SHIMICOM12月号
    「服が似合うということ」

    雑誌で見て買った流行の服が、似合わない… 服が似合わないのは、年のせいかも… そう、あきらめかけていませんか。 今月、ご紹介する「骨格スタイル」※ 見た目の体型ではなく、自分の骨格を知ることから 本当に似合う服がわかるといいます。 ※「骨格スタイル」「骨格スタイル分析」は、一般社団法人骨格スタイル協会の登録商標です。

  • 〔プロフィール〕

    師岡 朋子(もろおか ともこ)/一般社団法人骨格スタイル協会代表理事。表参道スタイルラボ代表。一般社団法人日本スカーフコーディネーター協会代表理事。
    各種スクールや企業研修で骨格診断やカラーの講師を務め、述べ5000人以上に似合うファッションのアドバイスを行う。3次元計測データや衣服解剖学なども加味し独自に調査・研究を重ね、「似合う」を理論化した「骨格スタイル分析理論」を提唱。ひとりひとりの個性を魅力として輝かせ、より多くの人がファッションを楽しめる社会の実現を目指し、「骨格スタイル協会」を設立した。わかりやすく親しみやすい講座が人気で、全国各地や海外からも多くの受講生が集まり、大盛況になっている。 /dd>

    ◎骨格スタイル協会HP http://www.kokkaku.jp

  • 骨格スタイルとは、何か?

    「洋服が似合わなくなったと思うのは、年齢や体型のせいではありませんよ。」 開口一番、そうおっしゃるのは師岡 朋子さんです。 「体型は痩せたり太ったり変化するのに対して、体の土台となる骨格は変わりません」。どうやらそこに「似合う服選び」のコツがありそうですが…

    SHIMICOM、以下S 「骨格スタイル」とは、耳慣れない言葉ですが?
    師岡さん そうですね、「骨格スタイル」を簡単に言いますと「似合うがわかるファッション理論」です。服を着るのは体ですが、その体の軸となるのが骨格です。一人一人顔が違うように骨格にも個性があります。生まれ持った骨格の発達のしやすさであったり、骨の太さ、身長に対して手足が大きいかどうかなどを調べることで、体の個性を客観的に捉え、その人に似合うファッションスタイリングを導き出すことができるのです。
    S それは、いつ頃からある理論なのでしょうか?
    師岡さん 元はアメリカで、見た目の第一印象をアップさせてビジネスパフォーマンスを上げる目的で、主に色とデザインの研究がされていました。1980年代にそれが日本に導入され、いろいろな方が研究をされてきました。その一つを、私も学ばせていただき、さらに服の素材と形、柄との相関関係をまとめた「似合うがわかるファッション理論」として提唱しております。

  • 骨格を3つのタイプに分類

    では、人の骨格をどう判断するのでしょう。 見た目には、わかりにくいと思うのですが…

    S どのように分析するんですか?
    師岡さん 「骨格スタイル」では、人の骨格を3つのタイプに分類します。具体的には、自己診断リストに答えていただき、その後、アドバイザーが服の上から「鎖骨」「胸骨」「骨盤」「膝」などを触って、骨格を分析します。
    S 「骨格の違いによるタイプ分けとは?
    師岡さん 「ストレート」、「ウェーブ」、「ナチュラル」の3つです。ただ3つに分けるだけではなくて、一人一人を細かく分析して、さらに「質感」、「骨格」、「立体感」、そして「重心」という4つの軸で捉えていこうというのが、私の「骨格スタイル分析」という理論になります。そうすることで、服の形だけでなく、似合う素材はどういうものかまでご提案することができるのです。
    S そのために手で触って確かめるんですね?
    師岡さん その通りです。骨格の強さや関節の大きさだけでなく、体の厚みや、肌の厚みや張りを調べることが大切です。逆にウェスト周りは、皆さん気にされてますので触らないようにしています。だいたい人間は、自分のコンプレックスのある部分は隠そうとしていらっしゃるので。

    こちらが「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の代表的シルエット図。

  • 「骨格スタイル分析」の手順
     あらかじめ本人に触ることを伝えた上で、体の骨格周りを軽く触って調べる。
    • 最初に、利き手ではない方の手を触って、大きさ、質感、関節などを確かめる。(利き手はよく使うので、利き手でない手と比べて大きい場合があるため。)
    • 次に、胸骨に触って張り具合や厚みを確かめる。その際に、併せて鎖骨、肩甲骨の大きさも確認する。
    • 骨盤に触る。腰骨の位置も重要な分析要素になる。
    • 最後に、膝、腱に触って、大きさを確かめる。
  • 「骨格スタイル分析ノート」

    今回は、3人のモデルさんにご協力をいただき、師岡さんに実際の「骨格スタイル分析」をしていただきました。 まず一人目は、スポーツが大好きという会沢 咲さん。グラマラスな外見はストレートタイプに見えますが…

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    師岡さん ストレートでも骨格が強い方と弱い方がいらっしゃいます。この方は、ストレートとしては若干骨格が弱めかなと。そういう方は少しウェーブに寄せた方がいいんですが、この方の場合、体から離れた形や厚手の生地を合わせると着太りして見えます。そこで軸はストレートに置かせていただきました。 ドレスはシンプルで装飾のないもの。I(アイ)ラインと呼ばれる広がりのない形のものを選びました。着丈も短すぎず、長すぎず、膝丈で見切っていただきますと、足もまっすぐキレイに伸びていらっしゃいますし、スタイルアップして見えると思います。ウェストの位置ですが、ハイウェストは幼ない印象に見えてしまうことがありますので、あげすぎないほうがオススメです。生地はハリのあるサテン生地を選ばせていただきました。

    (左)腰の位置が高く、足が長いため、重心が上に上がって幼く見える。

    (右)シンプルなサテンの膝丈ドレスで、グラマラスさを生かして大人っぽく。 

  • 「骨格スタイル分析ノート」

    二人目は、見るからに華奢な嵩馬(たかうま)美歩さん。スレンダーな外見から、ウェーブタイプとお見受けしましたが…

    師岡さん この方は判りやすいです。骨格が華奢で、柔らかそうなウェーブ。ただ実際に分析してみますと、思ったよりは質感(ハリ)がありましたが、柔らかい生地がお似合いになることを確認させていただき、素材はシフォン、レースを使い、リボンなどの装飾性のあるデザインをオススメしました。形はどこかに曲線を生かしたものがお似合いになりますし、マーメイドタイプもお似合いになります。X(ルビ:エックス)ラインシルエットというウェストを絞って広がりを持たせた形のものがよろしいかと。ミニ丈が似合うのがウェーブタイプの方の特徴です。 また、パンツの場合はテーパードのものをおすすめします。

    (左)オーバーサイズニットで、華奢さをカバーしている。

    (右)ウェーブの柔らかさを生かしつつ、ギャザーやフリルで立体感を持たせている。

  • 「骨格スタイル分析ノート」

    3人目は、ご自分ではナチュラルタイプという新城(あらき)ゆかさんです。彼女を一目見た師岡さんは、意外にも「ウェーブですね」と言うのですが…

    師岡さん この方は、身長が高いので、一見ナチュラルに思われるかもしれませんが、実際に骨格スタイル分析をしてみると、ナチュラルというより、むしろウェーブかなと感じました。ウェーブの特徴である首が長く、肌の質感はふわふわで、脂肪の優しさを感じさせます。ただ、身長が高いこともあって、ナチュラルからも提案も出来ます。同じウェーブでも似合うアクセサリーの大きさが違ってきます。彼女には、2連のパールで重心を上にあげると同時に、大きめのクラッチバックでボリュームを足してあげる方向でご提案しました。大人っぽいエレガントさが出たと思います。

    (左)ご自分ではナチュラルだと思っていらしたという。

    (右)ウェーブの柔らかさを生かして、レースのドレスに2連パールでエレガントに。

  • 大ぶりのイヤリングがアクセントとなり、メリハリが出る。

  • 人は誰でもコンプレックスを持っている

    S モデルさんのような師岡さんにも、服の悩みがおありだったとか?
    師岡さん 私、実は悩みだらけ、コンプレックスだらけだったんです。小さい頃、私、丸々と太っていて、朋子という名前なんですけど、太ってモコモコしてるのでモコちゃんと呼ばれていたんです。そのくせ、昔からかっこいい女性に憧れて、Vネックのセーターにスラックスというように、シンプルな洋服ばかり着てたんです。すると母親が「そんな老け込んだ格好ばかりして」と嘆きましてね(笑)。自分では、その着こなしがかっこいいと思い込んでいたのです。 その後、骨格診断の理論を学びまして、自分がウェーブだと言われたときに衝撃を受けました。だって自分はストレートだとばかり思い込んでおりましたので。まさかと思いつつも、ファンシーツィードのスーツを着た時に「あれ?こっちの方が似合ってる?お洒落じゃない?」って初めて自分に似合う服に気付きました。そうやって理論通りのものを身につけていくと、どんどんファッションが楽しくなり、周りの反応も変わり、服と向き合うことが楽しくなりました。
    S 暮らしの中で「金繕い」をどのように楽しむとでしょう。
    白鳥さん 取れたボタンを縫い直すように、器を直すことを普通のこととして楽しんでいただければと思います。そうすれば大切だからとしまっておくのではなく、使って楽しめるようになります。 せわしない毎日とは逆に、「金繕い」は手間と時間をかけてゆっくり作業が進みます。自分でやってみると、ただひたすら一つの器と向き合って作業する時間は、無になれて、自分をリセットする時間にもなるはずです。 ぜひご自分でもチャレンジしてほしいですね。

    緑を金繕いした器。多肉植物の寄せ植え用として、おしゃれに利用している。

  • 日本中の女性に知ってもらいたい

    自分の骨格タイプを知り、似合う服の形や素材がわかってくると、どんどんおしゃれも楽しくなりそうです。

    S こちらの「骨格スタイル講座」は、どんな方が受講しているんですか?
    師岡さん もともと個人コンサルティングサロンで、ひとりひとりに似合うものをお伝えするということをやっておりました。それが、ある日、この理論を教えて欲しいと言われて講座を始めたんです。すると受講生がたくさん来てくださいまして、「先生で5人目ですけど、ようやく腑に落ちました」とおっしゃっていただけた方もいました。そうしたことを通して、私なりに理論を深堀りするようになりましたし、研究所の先生からも多くのヒントをいただきました。
    S スタイリストには、役立つ理論のように思えますが。
    師岡さん まだ正式なカリキュラムに入っていませんが、ある服飾学校の方から特別講義とかアパレルのカリキュラムにどうかというお話をいただいております。この理論を学んでいただきますと、提案力が全然違うと思います。また、服作りの場であったり、販売するシーンであったり、一般消費者の方のお買い物であったり、服を楽しむライフスタイルという意味でも、いろんな方との架け橋になれたらいいなと思っています。
  • {編集後記}
    今回の取材中、目からウロコが何枚落ちたか数え切れません。 太っているとか痩せているとか、とかく人は体型を気にしますが、服選びの本質は骨格だったんですね。 12月の華やかなショーウィンドウを眺める時、ふとガラスに写った自分の姿に、骨格を重ねてみることが多くなりました。安易に流行りだからとか、あの人が着ていたからといって服を選ぶのでは、時間とお金の無駄使いというものです。
    取材協力:
    (一社)骨格スタイル協会
    スタイリング協力:
    野沢 奈央
    衣装協力:
    memory&magic
    モデル:
    会沢 咲、嵩馬(たかうま)美歩、
    新城(ルビ:あらき)ゆか
    写真:
    中根佑子
    「少ない服でも素敵に見える人の秘密」
    著者:師岡 朋子
    講談社
    本体価格: 1400円(税抜)
    ISBN: 9784062998536

    今回お話くださった師岡さんが、骨格スタイル分析理論をわかりやすく解説している本です。3つの骨格タイプ別に似合う洋服の形と素材、小物、アクセサリー、シューズまで幅広く紹介しています。